2008.6.28 第9回通常総代会開かれる

創立10周年をめざし 希望をたくせる5,500人の高齢者生協を

兵庫県高齢者生活協同組合の第9回通常総代会が6月28日(土)、たちばな職員研修センターで開催されました。
今回は介護保険の改定から2年が経過し、4月からは後期高齢者医療制度が始まるなど、高齢者に大きな負担増が強いられている中で開催された総代会でした。各支部、各分野の発言は高齢者の要望、切実な生活課題にもとづいた実践で、明るく、ユーモアに満ちていました。
 総代会に提案された2008年度の事業活動計画、予算など7議案はすべて可決されました。

高齢者の生活を支える事業と活動を

 「福祉輸送」の確立、健康づくり・趣味・旅行など仲間づくり、日常生活の支援事業、組合員と出資金の増加、介護保険事業、小規模多機能「かけはし」、配食サービス、生きがいデイサービスなど、を成功させることが重要になっています。

総代発言

理事長挨拶:第9回通常総代会を迎えて

第9回総代会を開催するに当たって、一言ご挨拶を申し上げます。
日頃、支部活動や職場の第一線で献身的に活動されておられます代議員はじめ御参集の皆様に、こころより敬意を表し御礼を申し上げたいと存じます。
また、本日お忙しいなか、私たちのこの総代会にご臨席いただきましたご来賓の高齢協顧問、横田安宏様に厚く御礼を申し上げます。

この1年間を振り返りますと、高齢者を取り巻く環境は、大変厳しい状況に置かれています。
高齢社会を支えるライフラインといわれる3大福祉制度である医療制度、年金制度、介護制度に対し政府の国民無視のずさんな制度設計とでたらめな乱用運用によって、混乱ばかりが横行し、そのしわ寄せは高齢者への不安と不信と不満を助長させています。

後期高齢者医療制度は、2006年に郵貯民営化という衆議院議席数の横暴で成立させたもので決して民意を表していません。この制度の問題点は、75歳以上のすべての高齢者を別建てとした保険制度「高齢者の切り捨て」への批判です。保険料は年金額が18万円未満の人を除き、年金から天引きする方式で、一部の被保険者における保険料のアップなど被保険者の不満は治まりません。新制度用に新しい保険証が郵送されたものの、本人が不在だったり、転居していたりして受け取っていないものが4万5000人に届いていません。「後期」という名称に不満や、後期高齢者診療料への批判でこれが混乱の背景にあります。

年金問題も一体、どうなっていくのでしょうか。あいまいで不明な納付者を確定できない「さまよう年金記録」で約5000万件が宙に浮いたまま、生年月日すら特定できないものが約30万件あります。「公約違反と言うほど大げさなものかどうか」「誰が大臣をやっても結果は同じ」等の発言は、無責任きわまりない暴言といえます。

介護制度といいますと、介護職の労働条件は、他の業種と比べて著しく賃金も労働時間も劣悪な状況です。その背景には、介護保険法が影響しており、2000年以降それが顕著に現れています。具体的には、離職者の増加、新卒者の介護離れといった影響が生じています。現在の見通しとして低賃金の改善の見込みは立っていません。

一日も早く、高齢者にとって安心して暮らせる医療、年金、そして介護のライフラインを安定した軌道に乗せること、また福祉サービスの仕事は高齢社会の中心的な基幹職種であり、献身的な社会正義で成り立っている仕事です。次回の介護保険制度の改正と介護の必要な方々の切実な声から、安心と信頼の絆を回復していくだけの労働条件獲得の運動を強く訴えていきたいと考えています。

今年度の取り組み目標の一つは、「協同」という組織理念に基づいた私たちの組織を拡大していくことです。この秋の臨時国会で協同労働の法制化を実現し、新しい時代の新しい働き方を確立していくチャンスではないでしょうか。この機を組織躍進の年と位置づけ、3840人の組合員(08年3月現在)を早い段階に、5500人という(GOGO運動)ビジョン達成に向けて展開したいと考えています。
篠山丹波支部は、今年1年間で123名が加入し484人になりました。この地域は過疎化が進展し福祉サービスが後退してきています。福祉輸送サービスが今回加入された組合員の生活必需ニーズに合致しているのです。また輸送サービス提供者の日々の献身的な努力と心温まる付加サービスが組合員のこころをつかみ、その輪を広げているのです。
篠山丹波支部の事例は、ひとつのよい参考事例としてあげられます。これからの活動は多くの組合員を受け入れていくためにも、組織全般を総点検する必要があります。そして時代にあった新しい生活支援サービスを一日でも早く軌道に乗せていかねばなりません。

最後に、兵庫高齢協は今年度満10歳の節目を迎えます。この節目に、これまでの10年の歩みを振り返って、原点に立ち戻り、これからの10年を描いていきたいと考えています。私たちの資産は、人材そのものです。貴重なる人材を、更につぎの10年にバトンタッチさせるためにも、人材教育の必要性を大切にし、お互いの思いやる風土を育んでまいりたいと思います。

万人は一人ひとりのために、一人は万人のために、この地域での運動こそが、生活者に潤いを与え、お互いに助け合いながら豊かな暮らしを創るものであり、協同の存在と意義が発揮できるものと確信しております。
皆様方の更なるご理解とご協力をお願いしまして、ご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。

理事長 足立 明